水産仲卸の年末の予約注文|まだ仕入れていない先の注文を、受渡日ごとに帳面へどう残すか
水産仲卸で年末に向けて得意先から先の注文が集まり始めたとき、まだ仕入れていない予約注文を、売上にも取り置き在庫にも数えず、受渡日ごとに予約の帳面へ残して仕入と突き合わせる見方を整理します。
水産仲卸で年末に向けて得意先から先の注文が集まり始めたとき、まだ仕入れていない予約注文を、売上にも取り置き在庫にも数えず、受渡日ごとに予約の帳面へ残して仕入と突き合わせる見方を整理します。
年末が近づくと、得意先から先の日の注文が集まり始めます。「二十八日に、いくつお願い」と電話で聞いても、その品はまだ仕入れていません。取り置きは、手元にある品を確保する話です。予約は、まだ無い品の先の注文です。この記事で見るのは、予約のほうです。手元にある品の取り置きの残し方は、水産仲卸の取り置き|売る前に得意先のために品を取り置いたとき、帳面でどう残すかです。取り置きの話には入りません。電話・FAX・口頭の注文を確定前と確定後に分ける流れは、水産仲卸の受発注を整理する|電話・FAX・口頭注文の『確定前・確定後』管理です。受注から会計までの確定管理の話には入りません。先に入った金を売上に当てる流れは、水産仲卸の前受け|先に入った金を、どの売上に当てるかです。前金の当て方の話には入りません。年末は、先の注文が増える時期の一例です。年末以外の先の注文にも、同じ書き方が使えます。
まだ仕入れていない予約は、売上にも取り置き在庫にも数えず、誰から・品・数量・受渡日・値段が決まっているか(未定なら未定と書く)・前金の有無を予約の帳面に分けて残し、受渡日ごとに繰って仕入と突き合わせる、です。人が雑だから混ざるのではありません。予約の電話は、品がまだ無いので、帳場の人の頭のなかで「もう売れた分」のように片づいてしまいます。けれども、予約は売上ではなく、手元の品でもありません。受渡日が来るまでは、予約の帳面に置いておく先の注文です。
まだ仕入れていない先の注文を、受渡日ごとに帳面へどう残すか、がこの作業です。見るのは、年末にどの品が動くかや、仕入の買い方ではありません。先の注文が、売上の行とも取り置き在庫の行とも別の、予約の帳面に置かれ、受渡日ごとに読めるかです。
数字で見ます。まず、予約を3件受けました。受渡日が2026-12-28の予約が2件、2026-12-30の予約が1件です。
一つめは、鮨あおばのハマチ13本です。受渡日は2026-12-28で、値段は未定、前金(予約の時点で先に受け取った金)はなしです。二つめは、居酒屋ことぶきのハマチ4本です。受渡日は2026-12-28で、取り決めた単価は1本4,300円、前金は6,500円を受け取っています。三つめは、仕出し松葉の伊勢エビ12尾です。受渡日は2026-12-30で、値段は未定、前金はなしです。
居酒屋ことぶきの予約額(取り決めた単価に数量を掛けた額)は、4,300×4=17,200円です。この予約額17,200円は、受渡日に品を渡すまで、売上には数えません。受け取った前金6,500円は、予約額とは別の金額です。前金の当て方は、ここでは決めません。会計上の扱いは税理士に確認してください。
受渡日ごとに繰って、仕入と突き合わせます。2026-12-28の受渡日の予約は、ハマチ13本と4本で、13+4=17本です。仕入れたハマチが18本だったとすると、18−17=1本は、予約のない分です。予約の件数も確かめます。2026-12-28の2件と2026-12-30の1件で、2+1=3件となり、受けた予約の3件と合います。
判断のポイントは、予約を受けた日ではありません。受渡日が先の日になっている注文だけを予約の帳面に置き、受渡日ごとに繰れるかです。今日受けて今日渡す注文は、予約の帳面には入れません。予約が取り消されたときの残し方は、この記事では扱いません。注文の取り消しについては、水産仲卸の注文キャンセル|得意先から注文を取り消されたとき、売上や返品と何を分けて残すかを見てください。
悪い例を一つ見ます。鮨あおばのハマチ13本と、居酒屋ことぶきのハマチ4本を、受けた日に売上の行へ入れたとします。まだ仕入れていないハマチ17本が売上になり、予約額17,200円も売上に見えます。取り置き在庫の行へ入れた場合は、手元にない17本が、手元にある品のように見えます。予約は、予約の帳面に置いたまま、受渡日に品を渡してから売上に数えます。
もう一つの悪い例です。予約を受けた順に一本の列で書いたとします。2026-12-28の受渡日に渡すハマチは、列のあちこちに散らばります。仕入のときに「その日の分は何本か」と聞かれても、17本をすぐには出せません。受渡日で繰れないので、仕入の数と突き合わせられず、足りない日や余る日に、気づくのが遅れます。
誰から・品・数量・受渡日・値段・前金が、予約の帳面で見えるか、が最後の確認です。誰からと品と数量だけが書かれていても、いつ渡すのかが読めません。受渡日があっても、値段が決まっているのか未定なのかが書かれていなければ、あとで聞き直すことになります。前金の有無が書かれていなければ、先に受け取った金があることに気づけません。
見るものは、次の三つです。文言は図と同じです。
例では、鮨あおばからハマチ13本、受渡日は2026-12-28で、値段は未定、前金はなしです。居酒屋ことぶきからハマチ4本、受渡日は2026-12-28で、単価は1本4,300円、前金は6,500円です。仕出し松葉から伊勢エビ12尾、受渡日は2026-12-30で、値段は未定、前金はなしです。この三つが予約の帳面で読めれば、受渡日ごとに予約を繰って、仕入と突き合わせられます。
過去の注文を全部書き直すことも、予約の帳面のひな形づくりも、あとです。まずは、いま受けている先の注文だけを置きます。
この五つで、まだ仕入れていない先の注文が、売上にも取り置き在庫にも混ざらずに、受渡日ごとに読めます。
先の注文の残し方を揃えたい場合は、紙やExcelを残したまま、現状の流れを一緒に確認できます。お問い合わせから、課題整理としてご相談ください。
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