水産仲卸の取り置き|売る前に得意先のために品を取り置いたとき、帳面でどう残すか
水産仲卸で売る前に得意先のために品を取り置いたとき、取り置き品を売上にも普通の在庫にも数えず、誰の取り置きか、品と数量、いつまで置くか、引き取られたか戻したかを分けて残す見方を整理します。
水産仲卸で売る前に得意先のために品を取り置いたとき、取り置き品を売上にも普通の在庫にも数えず、誰の取り置きか、品と数量、いつまで置くか、引き取られたか戻したかを分けて残す見方を整理します。
店に並べた品のうち、なじみの得意先から「明後日まで取っておいて」と頼まれ、売る前にその得意先のために品を取り置くことがあります。品はまだ店にあり、代金もまだ受け取っていません。けれども、ほかの得意先には売れない品です。帳面を開くと、取り置いた品が取り置いた日の売上に入っていたり、普通の在庫の数に入ったまま、誰の分なのか書かれていなかったりします。得意先の品を預かっているときは、水産仲卸の預かり在庫|得意先の品を預かっているとき、自社在庫と何を分けて残すかです。預かり在庫はすでに得意先のものになった品で、取り置きはまだ売っていない自社の品なので、持ち主が逆です。棚卸で帳簿と実在庫がずれたときは、水産仲卸の棚卸|棚卸で帳簿と実在庫がずれたとき、何を分けて残すかです。ずれが見つかったあとの残し方には入りません。注文した品が足りないときは、水産仲卸の欠品|注文した品が足りないとき、何を残すかです。取り置いた分で普通の在庫が減っても、欠品の残し方の話には広げません。電話やFAXの注文を確定前と確定後に分けて扱う話は、水産仲卸の受発注を整理する|電話・FAX・口頭注文の『確定前・確定後』管理です。注文の受け方の話で、ここでは取り置いた品を帳面にどう置くかだけを見ます。この記事で見るのは、売る前に得意先のために品を取り置いたとき、帳面でそれをどう残すかです。
取り置いた品は売上にも普通の在庫にも数えず、誰の取り置きか、どの品をいくつ取り置いたか、いつまで取り置くか、引き取られたか普通の在庫に戻したか、の四つを分けて残す、です。人が雑だから混ざるのではありません。取り置いた人は、得意先の顔も品も分かっているので、わざわざ書かなくても覚えていられると思っています。けれども、取り置いた品が普通の在庫の数に入ったままだと、ほかの担当はその品を売れる品だと思って売ってしまいます。取り置いた日の売上に入れてしまうと、引き取られなかったときに、売上をどこで取り消すのか分からなくなります。取り置き品は、まだ売っていない自社の品で、同時に、ほかの得意先には売らない品です。この二つを同時に読める場所が、取り置きの行です。
売る前に得意先のために品を取り置いたとき、帳面でどう残すか、がこの作業です。見るのは、取り置いてよいかどうかや、得意先との約束の決め方ではありません。自社の帳面で、取り置いた品が売上とも普通の在庫とも別の行に置かれ、誰の分で、いくつで、いつまでで、最後にどうなったかが読めるかです。取り置いた人が「あの6尾は割烹ひさごの分」と覚えていても、帳面に書かれていなければ、その人が休んだ日には誰にも分かりません。
数字で見ます。2026-10-25の朝、自社の店にはタチウオが13尾ありました。得意先の割烹ひさごから電話があり、「2026-10-27まで、タチウオを6尾取っておいてほしい」と頼まれました。値段は1尾2,470円で話がついています。自社は、店のタチウオ13尾のうち6尾を、割烹ひさごの分として取り置きました。
取り置いたあとの普通の在庫は、店にあるタチウオ13尾から取り置いた6尾を引いて、13−6=7尾です。取り置き分の品代は、1尾2,470円の6尾分で、2,470×6=14,820円です。取り置き分の品代14,820円は、割烹ひさごが引き取ったときに自社が売上に入れる予定の額で、取り置いた2026-10-25の時点では、まだ売上に入れません。代金も、まだ受け取っていません。
帳面には、行を二つ立てます。一つめは普通の在庫の行で、タチウオ7尾です。ほかの得意先に売ってよいのは、この7尾です。二つめは取り置きの行で、割烹ひさご、タチウオ6尾、取り置き分の品代14,820円、期限2026-10-27、と書きます。この行の6尾は、普通の在庫の7尾にも、2026-10-25の売上にも入れません。店にある13尾は、普通の在庫の7尾と、取り置きの6尾に分けて読みます。
取り置きのその後は、二通りです。割烹ひさごが期限の2026-10-27までに6尾を引き取ったら、自社は引き取られた日にタチウオ6尾を割烹ひさごへの売上に入れ、取り置き分の品代14,820円を売上の額として書きます。取り置きの行は消さずに、引き取られた日と「引き取り済み」を書き添えます。期限を過ぎても引き取られず、取り置きをやめると決めたら、自社はタチウオ6尾を普通の在庫に戻します。その間に普通の在庫の7尾から売れた分がなければ、普通の在庫は7+6=13尾に戻ります。取り置きの行は消さずに、戻した日と「普通の在庫に戻した」を書き添えます。取り置き分の品代14,820円は、売上には入れません。会計上の扱いは税理士に確認してください。
判断のポイントは、取り置きを受けるかどうかや、期限をどう決めるかではありません。預かり在庫、棚卸、欠品、注文の受け方の話にも入りません。見るのは、取り置いた品を売上とも普通の在庫とも混ぜず、取り置き先、品と数量、期限、最後に引き取られたか普通の在庫に戻したかが、自社の帳面で読めることです。
悪い例を一つ見ます。2026-10-25に6尾を取り置いた時点で、自社の事務が、タチウオ6尾と取り置き分の品代14,820円を、割烹ひさごへのその日の売上に入れてしまったとします。売上の一覧の上では、話のついた値段と額が合います。けれども、割烹ひさごはまだ6尾を引き取っておらず、自社は品を渡していません。期限までに引き取られなかったら、入れてしまった売上をどの日に、どう取り消すのか、帳面からは読めません。割烹ひさごに月末の請求を出したとき、引き取っていない6尾の分まで請求に入っていれば、話がかみ合いません。取り置いた日は、取り置きの行に書くだけにして、タチウオ6尾を売上に入れるのは、割烹ひさごが引き取った日です。
取り置いた6尾を普通の在庫の13尾に入れたままにすると、帳面の上では、ほかの得意先に売れる品が13尾あるように見えます。別の担当がその数を見て、ほかの得意先にタチウオを7尾より多く売ってしまうと、割烹ひさごの6尾は店に揃いません。逆に、取り置いた6尾をどの行にも書かずに普通の在庫から引くだけにすると、店にある13尾と帳面の7尾が合わず、残りの6尾がどこへ行ったのか読めません。取り置いた6尾は、普通の在庫の7尾から外し、取り置きの行に、割烹ひさごの分として置きます。
取り置き先・品と数量・期限・引き取りか戻しかが、別の行で見えるか、が最後の確認です。店にある数と帳面の数が合っていても、取り置きの行に割烹ひさごが書かれていなければ、誰のための6尾なのか読めません。期限がなければ、いつまで普通の在庫から外しておくのか分かりません。引き取られたか、普通の在庫に戻したかが書かれていなければ、取り置きがまだ続いているのか、もう終わったのか、あとで見た人には分かりません。
見るものは、次の四つです。文言は図と同じです。
例では、帳面に、普通の在庫の行としてタチウオ7尾があり、別に置いた取り置きの行として割烹ひさご、タチウオ6尾、取り置き分の品代14,820円、期限2026-10-27があり、最後に引き取り済みか、普通の在庫に戻したかが書き添えてあるかです。判断のポイントは、店にある数と帳面の数が合うかどうかではありません。取り置き先、品と数量、期限、取り置きの終わり方が、普通の在庫や売上と別の行で読めるかです。
取り置きの決まりづくりも、過去の取り置きの洗い出しも、あとです。まずは、いま店にある取り置き一件だけを置きます。
この五つで、割烹ひさごの取り置きは、取り置き先、品と数量、期限、引き取りか戻しかが、普通の在庫や売上とは別の行で読めるようになります。
取り置きや在庫の残し方を揃えたい場合は、紙やExcelを残したまま、現状の流れを一緒に確認できます。お問い合わせから、課題整理としてご相談ください。
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水産仲卸で産地や他市場から品を運んでもらったとき、運賃を品の仕入値や得意先への配送料と混ぜず、どの仕入にかかったか、誰に払うか、仕入値に載せて見るのか別に見るのかを分けて残す見方を整理します。
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