水産仲卸の委託販売|荷主から預かって売る品と買取品が並ぶとき、売上を何で分けて残すか
荷主から預かって売る委託品と、自社が仕入れた買取品を同じ日に売るときに、委託の売上を買取の売上や粗利と混ぜず、品ごとに委託か買取かと荷主へ返す額を残す見方を整理します。
荷主から預かって売る委託品と、自社が仕入れた買取品を同じ日に売るときに、委託の売上を買取の売上や粗利と混ぜず、品ごとに委託か買取かと荷主へ返す額を残す見方を整理します。
同じ売場に、荷主から預かって売る委託品と、自社が仕入れた買取品が並ぶ日があります。どちらも自社の売場から得意先へ売るので、売った紙は同じように見えます。ところが夕方に帳面を開くと、委託品の売上が自社の売上にそのまま足されていて、その日の粗利が大きく見えたり、荷主へ返す額がどの売上から出たのか追えなかったりします。得意先の品を自社で預かっているときの分け方は、水産仲卸の預かり在庫|得意先の品を預かっているとき、自社在庫と何を分けて残すかです。預かる相手が得意先で、売らずに置いておく品の話です。今回は荷主から預かって売る委託で、向きが違います。その日の仕入と売上の差が夜まで分からない理由は、水産仲卸の粗利|その日の仕入と売上の差がなぜ夜まで分からないのかです。粗利の出し方そのものではありません。届いた仕切書を仕入帳と突き合わせるのは、水産仲卸の仕切書|届いた数量・単価・手数料を、仕入帳のどこと突き合わせるかです。仕入の照合ではありません。卸への支払いが残っている分の追い方は、水産仲卸の買掛金|卸への支払いが残っている分を、誰が何を見て追うかです。買掛の追い方ではありません。セリではなく相対で売ったときは、水産仲卸の相対|セリではなく相対で売ったとき、何を約定として残すかです。約定の残し方ではありません。どれも近い場所にありますが、ここでは深掘りしません。この記事で見るのは、荷主から預かって売る品と買取品が並ぶとき、売上を何で分けて残すかです。
委託品の売上を買取品の売上・粗利と混ぜず、品ごとに委託か買取かと荷主へ返す額を残す、です。人が雑だから混ざるのではありません。委託品も買取品も、同じ売場で同じ得意先に、同じ形の紙で売ります。売った金額だけを見れば、どちらも自社が受け取る代金に見えます。けれども、向きが違います。買取品は、自社が仕入れて自社の品として売るもので、その売上は自社の売上で、仕入との差が自社の粗利です。委託品は、荷主から預かって売るもので、売ったあと取り決めた額を荷主へ返します。委託品の売上をそのまま自社の売上と粗利に入れると、荷主へ返す分まで自社のもうけに見えます。
荷主から預かって売る品と買取品が並ぶとき、売上を何で分けて残すか、がこの作業です。見るのは、委託の決まりや取り決めの中身ではありません。売った品ごとに、委託か買取かが書かれ、委託品なら荷主へ返す額が並んでいるかです。売場の人が「今日のヒラメは荷主Bさんの委託」と覚えていても、事務の帳面の売上の行に委託か買取かが書かれていなければ、夕方には区別がつきません。
数字で見ます。2026-10-15、自社の売場で二つの品を売りました。一つは、荷主Bから預かって売った委託品のヒラメです。ヒラメの委託売上は27,540円です。荷主Bとは、売れたら取り決めた率で荷主へ返す額を出すと決めてあり、この日のヒラメについて荷主へ返す額は24,780円です。もう一つは、自社が仕入れた買取品のマアジです。マアジの買取売上は19,360円です。
帳面では、売上の行を品ごとに分け、それぞれに委託か買取かを書きます。ヒラメの行には「委託・荷主B」、委託売上27,540円、荷主へ返す額24,780円を並べます。マアジの行には「買取」、買取売上19,360円を書きます。粗利を見るのは、買取品のマアジの行だけです。マアジの買取売上19,360円と、自社がマアジを仕入れた額との差が、自社の粗利です。
委託売上27,540円と荷主へ返す額24,780円は、同じヒラメの行に並びますが、役割が違います。27,540円は得意先にヒラメを売った委託売上、24,780円はそのうち荷主Bへ返す額です。二つの金額が二つの売上として立っているわけではありません。荷主へ返す額は、自社の仕入の買掛とは別に、委託品の行に添えて置きます。27,540−24,780=2,760円が、取り決めにより自社に残る分です。これも買取品の粗利とは別の行で見ます。
判断のポイントは、委託にするか買取にするかの判断や、荷主との取り決めの決め方ではありません。率の数字にも入りません。預かり在庫、粗利の出し方、仕切書の照合、買掛の追い方、相対の約定にも入りません。見るのは、委託品の売上を買取品の売上・粗利と混ぜないことです。品ごとの行に委託か買取かが書かれ、委託品の行に荷主へ返す額が並んでいれば足ります。
悪い例を一つ見ます。この日の売上を、委託か買取かを書かずに一本で集計したとします。27,540+19,360=46,900円が、その日の自社の売上に見えます。ここから粗利を見ると、荷主Bへ返す額24,780円まで自社のもうけに入ってしまいます。46,900円は委託売上と買取売上を足した額で、自社の買取売上ではありません。自社の買取売上は、マアジの19,360円です。委託品のヒラメは、委託売上27,540円と荷主へ返す額24,780円を、自社の売上・粗利とは別の行で見ます。
売場には、得意先から預かっている品が置いてある日もあります。こちらは得意先の品で、自社が売るものではありません。荷主から預かって売る委託品と、得意先から預かっている品を、同じ「預かり」の札でまとめると、どちらが売る品か分からなくなります。委託品は、荷主から預かって売り、荷主へ返す額が出る品として、売上の行に「委託・荷主名」を書いておきます。
委託売上・買取売上・荷主へ返す額が、別の行で見えるか、が最後の確認です。その日の売上の合計が合っていても、ヒラメの行に委託か買取かが書かれていなければ、荷主へ返す額24,780円がどの売上から出たのか読めません。マアジの行に「買取」がなければ、どれが自社の粗利の元か分かりません。
見るものは、次の三つです。文言は図と同じです。
例では、2026-10-15について、ヒラメの行に「委託・荷主B」、委託売上27,540円、荷主へ返す額24,780円が並び、マアジの行に「買取」、買取売上19,360円が書かれているかです。判断のポイントは、売上の合計が合うかどうかではありません。委託の売上、自社の買取の売上、荷主へ返す額が、役割の違う行で並んでいるかです。
仕訳の切り方や税の扱いには入りません。見るのは、売ったその日の、品ごとの売上の行です。
全荷主の委託品の一覧も、帳面の作り替えも、あとです。まずは、今日売った委託品一件と買取品一件だけを置きます。
この五つのあとで、その日の売場の売上は、委託売上、買取売上、荷主へ返す額が別々の行で読めます。
委託品と買取品の売上の分け方を揃えたい場合は、紙やExcelを残したまま、現状の流れを一緒に確認できます。お問い合わせから、課題整理としてご相談ください。
卸や荷主に仕入れた品を返したときに、その返品を得意先返品や仕入値引きと混ぜず、元の仕切書を残したまま返した品と数量を別の行に置いて、買掛がいくら減ったかを追える見方を整理します。
得意先から渡された指定伝票で魚を納めるときに、その紙を自社の売上控えの代わりにせず、どちらを元に書いたかと指定伝票の番号を自社の控えに書き添えて、売上を一度だけ数える見方を整理します。
得意先から請求書をなくしたと言われて出し直すときに、中身の変わらない再発行を新しい請求や訂正と分け、元の請求番号と再発行日と理由を紐づけて、売上を一度だけ数える見方を整理します。