水産仲卸の仕入返品|卸や荷主に品を返したとき、買掛に何を分けて残すか
卸や荷主に仕入れた品を返したときに、その返品を得意先返品や仕入値引きと混ぜず、元の仕切書を残したまま返した品と数量を別の行に置いて、買掛がいくら減ったかを追える見方を整理します。
卸や荷主に仕入れた品を返したときに、その返品を得意先返品や仕入値引きと混ぜず、元の仕切書を残したまま返した品と数量を別の行に置いて、買掛がいくら減ったかを追える見方を整理します。
仕入れた箱を開けたら注文と違う品が入っていた、傷みがあった、数が多すぎた。そうした理由で、自店が卸や荷主に品を返すことがあります。自店は買う側で、支払う側です。返品すると、自店が卸や荷主に払う買掛が減ります。ところが帳面を開くと、自店が返した分が仕入値引きの欄に入っていたり、元の仕切書の行の数字が書き換えられていて何を返したのか追えなかったりします。得意先から自店へ品が返ってくる売り側の返品は、水産仲卸の返品|締めたあとに返ってきた分を、次の請求から落とすです。向きが逆で、この記事の話ではありません。届いた仕切書の数量・単価・手数料を仕入帳と突き合わせるのは、水産仲卸の仕切書|届いた数量・単価・手数料を、仕入帳のどこと突き合わせるかです。今の仕入を受けるときの照合で、返品の話ではありません。卸への支払いが残っている分を誰が追うかは、水産仲卸の買掛金|卸への支払いが残っている分を、誰が何を見て追うかです。残高の追い方そのものではありません。口座から出た1行をどの買掛に当てるかは、水産仲卸の支払確認|口座から出た1行を、どの仕入先のどの買掛に当てるかです。支払いの当て込みではありません。同じ相手に売りも買いもあるときは、水産仲卸の相殺|同じ相手に売りも買いもあるとき、相殺した残だけを請求・支払に残すには何が要るかです。相殺の話でもありません。仕入値引きは、品を自店に置いたまま値段が下がる別の話で、ここでは返品と混ぜないためにだけ触れます。どれも近い場所にありますが、ここでは深掘りしません。この記事で見るのは、卸や荷主に品を返したとき、買掛に何を分けて残すかです。
仕入返品を、得意先返品(売り側の返品)や仕入値引きと混ぜない、です。返した品と数量、それに対応する仕切書を、買掛側に残す、です。人が雑だから混ざるのではありません。自店が卸や荷主に返しても、得意先から返されても、紙には同じ「返品」の二文字が書かれます。自店が返品しても、仕入値引きを受けても、買掛が減るという結果は同じに見えます。けれども、仕入値引きは品を自店に置いたまま値段だけが下がるもので、仕入返品は品そのものが自店から卸や荷主へ戻るものです。返した品と数量が残っていなければ、自店の在庫と仕入帳の数量が合わなくなります。対応する仕切書が書かれていなければ、自店のどの仕入から返したのかを卸や荷主と確かめられません。
卸や荷主に品を返したとき、買掛に何を分けて残すか、がこの作業です。見るのは、返せるかどうかの判断でも、卸や荷主とのやり取りでもありません。自店の買掛の側で、元の仕切書の行がそのまま残り、仕入返品が別の行として置かれ、返品後の買掛がいくらかが見えるかです。自店の現場が「2ケースは卸に戻した」と覚えていても、事務の帳面に返した品と数量と仕切書番号がなければ、あとから自店の買掛がいくら減ったのかを説明できません。
数字で見ます。仕入先は卸Aとします。2026-10-14の朝、自店は卸Aから甘エビを仕入れました。届いた仕切書の番号はK-60418で、甘エビ9ケース、1ケース4,630円、元の仕切書の金額は9×4,630=41,670円です。自店の買掛には、この今の仕入として、仕切書K-60418の行に41,670円を置きます。
箱を開けると、2ケースに傷みがありました。自店は卸Aに連絡し、その日のうちに2ケースを返しました。自店が返した品は甘エビ、数量は2ケース、返品額は2×4,630=9,260円です。この返品は、仕切書K-60418の行を書き換えるのではなく、自店の買掛に別の行として置きます。仕入返品の行には、返した品の甘エビ、返した数量2ケース、返品額9,260円、対応する仕切書番号K-60418、返した日2026-10-14を書きます。
元の仕切書K-60418の行は、41,670円のまま残します。仕入返品の行は、9,260円を買掛から引く行です。二つの行は役割が違い、同じ金額が二つの行に立っているわけではありません。卸Aへの自店の返品後の買掛は、41,670−9,260=32,410円です。残った7ケースで見ても、7×4,630=32,410円で検算が合います。卸Aへ自店が払う額として見るのは、返品後の買掛の32,410円です。
元の仕切書の金額41,670円、返品額9,260円、返品後の買掛32,410円は、どれも違う数字です。帳面でこの三つを見るときは、どの紙の数字か、どの残高の数字かを、言葉で添えておきます。41,670円は元の仕切書K-60418の金額、9,260円は自店が卸Aに返した2ケースの返品額、32,410円は返品後の買掛です。
判断のポイントは、返品の決まりや仕切りの仕組みの説明ではありません。卸や荷主に返すときの話の進め方にも入りません。仕切書の照合、買掛の追い方、支払いの当て込み、相殺の話にも入りません。見るのは、自店が卸や荷主に返した仕入返品を、得意先返品や仕入値引きと混ぜないことです。元の仕切書の行が残り、その横に返した品と数量と仕切書番号の書かれた仕入返品の行があり、返品後の買掛が読めれば足ります。
悪い例を一つ見ます。自店が卸Aに2ケースを返したのに、事務で9,260円を仕入値引きの欄に入れてしまったとします。返品後の買掛は32,410円で、金額だけ見ると合っています。けれども、仕入帳の甘エビは9ケースのままで、自店の冷蔵庫には7ケースしかありません。仕入値引きは品を自店に置いたまま値段が下がったという記録なので、2ケースを卸Aへ返したことが帳面から消えてしまいます。在庫を数えた日に2ケースが足りないように見え、仕切書K-60418のどの品をいくつ返したのかも、あとから卸Aと確かめにくくなります。自店が品を返したときは、仕入値引きではなく仕入返品の行に置き、返した品と数量を書きます。
自店には、得意先から品が返ってくる日もあります。こちらは売り側の返品で、自店の買掛とは関係がありません。自店が卸や荷主に返した仕入返品の紙と、得意先から返ってきた返品の紙を、同じ「返品」の束に綴じると、どちらの向きかが紙だけでは分からなくなります。自店が卸や荷主に返した分は、買掛の側に、仕切書番号と並べて置きます。
元の仕切書・仕入返品・返品後の買掛が、別の行で見えるか、が最後の確認です。卸Aへの自店の返品後の買掛が32,410円で合っていても、元の仕切書K-60418の行が32,410円に書き換えられていれば、自店が何を何ケース返したのか読めません。仕入返品の行に仕切書番号がなければ、どの仕入から返したのか分かりません。
見るものは、次の三つです。文言は図と同じです。
例では、卸Aについて、元の仕切書K-60418の行に41,670円がそのまま残り、別の仕入返品の行に甘エビ2ケース、返品額9,260円、仕切書番号K-60418が書かれ、返品後の買掛が32,410円と読めるかです。判断のポイントは、行の数が多いか少ないかではありません。自店が受けた仕入、自店が返した品、そのあとの自店の買掛が、役割の違う行で並んでいるかです。
仕訳の切り方や税の扱いには入りません。見るのは、自店が品を返したその日の、買掛の側の行の並びです。
全仕入先の返品の整理も、帳面の作り替えも、あとです。まずは、今日自店が卸や荷主に返した一件だけを置きます。
この五つのあとで、卸Aへの自店の買掛は、元の仕切書、仕入返品、返品後の買掛の三つが別々の行で読めます。
自店の仕入返品と買掛の残し方を揃えたい場合は、紙やExcelを残したまま、現状の流れを一緒に確認できます。お問い合わせから、課題整理としてご相談ください。
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