水産仲卸の過入金|得意先から請求より多く振り込まれたとき、売掛の入金と何を分けて残すか
得意先から請求より多く振り込まれたときに、多く入った分をその請求の消込や前受けと混ぜず、どの請求への入金でいくら多かったかと、まだ決まっていない残りを別の行で追える見方を整理します。
得意先から請求より多く振り込まれたときに、多く入った分をその請求の消込や前受けと混ぜず、どの請求への入金でいくら多かったかと、まだ決まっていない残りを別の行で追える見方を整理します。
通帳を見ると、得意先からの振込が請求より多い日があります。同じ請求を二回振り込んでしまった、額を打ち間違えた、といった理由です。自店は売る側で、受け取る側です。多く入った分は、自店がその請求の代金として受け取るべき額ではありません。ところが帳面を開くと、多く入った分がその請求の消込にまとめて入っていたり、前受けの箱に入っていたり、いつの間にか新しい請求への入金になっていたりして、いくら多かったのか、そのあとどうしたのかが追えなくなります。得意先から先に入った金をどの売上に当てるかは、水産仲卸の前受け|先に入った金を、どの売上に当てるかです。売る前に受け取る前受けで、自店が受け取る向きは同じですが、請求より多く入ってしまった過入金とは性質が違います。通帳の1行をどの請求に当てるかは、水産仲卸の入金確認|通帳の1行を、どの請求に当てるかです。入金の当て込みそのものではありません。請求したあとの残高の追い方は、水産仲卸の売掛金|請求したあと、残高を誰がどう追うかです。売掛の残高の追い方ではありません。同じ相手に売りも買いもあるときは、水産仲卸の相殺|同じ相手に売りも買いもあるとき、相殺した残だけを請求・支払に残すには何が要るかです。入金が足りないときは、水産仲卸の振込手数料|入金が振込手数料ぶん足りないとき、足りない分をどこに残すかです。足りない側の話で、多い側ではありません。得意先から預かる保証金は、水産仲卸の保証金|得意先から預かった保証金を持つとき、何を分けて残すかです。自店が卸や荷主へ先に払うときは、水産仲卸の前払い|品が届く前に卸や荷主へ代金を先に払ったとき、買掛の支払いと何を分けて残すかです。払う側の話で、向きが逆です。入金予定日を過ぎても来ないときは、水産仲卸の未入金|入金予定日を過ぎても来ないとき、次に何を見て追うかです。請求の宛名と振込み名義が食い違うときは、水産仲卸の屋号|請求の宛名と振込み名義が食い違うとき、何を残すかです。どれも近い場所にありますが、ここでは深掘りしません。この記事で見るのは、得意先から請求より多く振り込まれたとき、売掛の入金と何を分けて残すかです。
多く入った分(過入金)を、その請求の消込・前受け・新しい請求への入金と混ぜない、です。返すか新しい請求に充てるかが決まるまで、どの請求への入金で、いくら多かったか、まだ決まっていない残りを別に残し、決まったら返した額か充てた請求を書く、です。人が雑だから混ざるのではありません。通帳には、得意先の名前と振り込まれた額が一行で並ぶだけです。その一行のうち、どこまでが請求への入金で、どこからが多く入った分かは、通帳には書かれていません。多く入った分を前受けに入れると、自店が売る前に受け取った代金のように見えます。新しい請求への入金にすると、得意先とまだ決めていないことを、自店だけで決めたことになります。
得意先から請求より多く振り込まれたとき、売掛の入金と何を分けて残すか、がこの作業です。見るのは、多く入った分を返す決まりや、得意先への連絡の仕方ではありません。自店の帳面で、その請求への入金の行と、多かった額の行が分かれ、まだ決まっていない残りがいくらか、決まったあとどうしたかが見えるかです。自店の事務が「ふじのさんは多めに振り込んできた」と覚えていても、帳面に多かった額の行がなければ、月末に売掛の残高を見たときに、どの請求の入金がいくら多かったのか答えられません。
数字で見ます。得意先は料理屋ふじのです。自店は料理屋ふじのに、請求書番号G-2610-07で、請求額31,460円の請求を出していました。2026-10-16、料理屋ふじのから34,160円が振り込まれました。料理屋ふじのが、請求額の31,460円を振り込むときに34,160円と打ち間違えたものです。多かった額は、34,160−31,460=2,700円です。
帳面では、振り込まれた34,160円を一つの行にまとめず、二つに分けます。一つめは、請求書G-2610-07への入金の行です。ここには請求額31,460円ぶんを入金として書き、請求書G-2610-07の売掛は0円になります。二つめは、多かった額の行です。ここには、入金日2026-10-16、どの請求への入金で多かったかとして請求書番号G-2610-07、多かった額2,700円、理由の「額の打ち間違い」、まだ決まっていない残り2,700円を書きます。多かった額2,700円は、請求書G-2610-07への入金の行には入れません。
振り込まれた額34,160円、請求への入金31,460円、多かった額2,700円は、どれも違う数字です。帳面でこの三つを見るときは、どの行の数字かを言葉で添えておきます。34,160円は通帳に入った振り込まれた額、31,460円は請求書G-2610-07への入金、2,700円は多かった額の行の数字です。
料理屋ふじのに確かめたところ、多かった2,700円は返すことになりました。2026-10-19、自店は料理屋ふじのへ2,700円を返しました。多かった額の行に、返した日2026-10-19と返した額2,700円を書きます。多かった額2,700円と返した額2,700円は同じ数字ですが、役割が違います。2,700円は、多かった額としては2026-10-16に多く入った分で、返した額としては2026-10-19に自店から料理屋ふじのへ戻した分です。返したことで、まだ決まっていない残りは0円になります。多かった額の行は消さずに残し、そこに返した額と返した日が並びます。
返さずに新しい請求に充てると決まったときも、同じ行に、充てた日、充てた新しい請求の番号、充てた額を書きます。決まるまでは、多かった額は前受けにも、新しい請求への入金にも入れず、多かった額の行に置いたままにします。
判断のポイントは、多く入った分を返すべきかどうかの断定や、得意先への伝え方ではありません。勘定科目の名前にも入りません。前受け、入金の当て込み、売掛の追い方、相殺、足りない入金、保証金、前払い、未入金、名義の食い違いの話にも入りません。見るのは、多く入った分を、その請求の消込・前受け・新しい請求への入金と混ぜないことです。請求への入金の行と多かった額の行が分かれ、まだ決まっていない残りと、決まったあとの返した額か充てた請求が読めれば足ります。
悪い例を一つ見ます。料理屋ふじのから多く入った2,700円を、事務で前受けの箱に入れてしまったとします。前受けは、自店が売る前に受け取った代金です。その箱に2,700円があると、料理屋ふじのが新しい注文の代金を先に払ってくれたように読めます。新しい請求を出したときに、前受けとして2,700円を差し引いてしまい、返すのか充てるのかを料理屋ふじのと決める前に、自店だけで充ててしまいます。料理屋ふじのの打ち間違いで請求書G-2610-07に多く入った分だということも、帳面から読めなくなります。多く入った分は、前受けではなく、多かった額の行に置きます。
もう一つ気をつけたいのは、振り込まれた34,160円を、そのまま請求書G-2610-07の消込に入れてしまうことです。請求額31,460円に対して34,160円を消し込むと、請求書G-2610-07の売掛がマイナス2,700円のように見えます。マイナスの売掛は、どの請求の、どんな理由の分かを語りません。請求書G-2610-07への入金は31,460円まで、多かった額2,700円は別の行、と分けておきます。
請求への入金・多かった額・まだ決まっていない残りが、別の行で見えるか、が最後の確認です。請求書G-2610-07の売掛が0円になっていても、多かった額の行がなければ、34,160円のうち2,700円がどこへ行ったのか読めません。まだ決まっていない残りが書かれていなければ、返したのか、充てたのか、まだなのかが分かりません。
見るものは、次の三つです。文言は図と同じです。
例では、料理屋ふじのについて、請求書G-2610-07への入金の行に31,460円があり、多かった額の行に入金日2026-10-16、多かった額2,700円、理由の「額の打ち間違い」が書かれ、返した日2026-10-19と返した額2,700円、まだ決まっていない残り0円が読めるかです。判断のポイントは、通帳の入金が合うかどうかではありません。請求への入金、多く入った分、そのあと決まったことが、役割の違う行で並んでいるかです。
仕訳の切り方や税の扱いには入りません。見るのは、多く入った日と、返すか充てるかが決まった日の、帳面の行の並びです。
全得意先の入金の見直しも、帳面の作り替えも、あとです。まずは、今多く入っている一件だけを置きます。
この五つのあとで、料理屋ふじのについての自店の帳面は、請求への入金、多かった額、まだ決まっていない残りが別々の行で読めます。
得意先からの多い入金の残し方を揃えたい場合は、紙やExcelを残したまま、現状の流れを一緒に確認できます。お問い合わせから、課題整理としてご相談ください。
品が届く前に自店が卸や荷主へ代金を先に払ったときに、その前払いを届いた仕入の買掛への支払いと混ぜず、どの仕入に充てる前払いか、充てた額、前払いの残りを別の行で追える見方を整理します。
卸から仕入を値引きしてもらったときに、その値引きを仕入返品や売る側の値引きと混ぜず、元の仕切書を残したまま、どの仕切書のどの品かと理由を別の行に置いて、買掛がいくら減ったかを追える見方を整理します。
荷主から預かって売る委託品と、自社が仕入れた買取品を同じ日に売るときに、委託の売上を買取の売上や粗利と混ぜず、品ごとに委託か買取かと荷主へ返す額を残す見方を整理します。